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ふく百話(85)

「大学にて、ふく講義」

昨年12月10日、京都の龍谷大学主催の第3回オンライン高校生模擬裁判選手権事前配信講義を行いました。フグ中毒事件を取り扱った裁判です。ネット中継で3時間、全国の進学高校を結んでの講義でした。下関ふく連盟に問い合わせがあり私に指名がかかりました。

江戸時代という時代設定で事件関係者、弁護士、検察官、裁判官とそれぞれ役割分担があり模擬裁判を行う人気の授業です。私の役割は「ふくの一般的知識」についての事前学習です。質疑応答を含め3時間の講義でした。皆さん、熱心に受講して頂きました。項目と内容は以下について話しました。

1、フグ食の歴史
数千年前から古代人はフグを食べていました。全国の貝塚からフグの骨が出土していることからもわかります。くちばしが焼けた跡があり、古代人は丸焼きにして食べていたのではと推測されています。その後の各時代においても人々は長くフグを食べてきました。毒がどこにあるのか、はっきりわからない時代から我々の祖先は神秘の魚「ふく」の魅力を楽しんでいたのです。

そのような中で「下関ふく」が全国一位の歴史と実績を誇っています。

2、種類、分布
世界中で大きな括りとしてフグ目で440種類、マンボウやカワハギの仲間も含みます。フグに近い10科で230種、フグ科で120種。日本近海で100種類、この中で食べても良いフグは厚生労働省指定で21種類です。

下関市の海響館は230種類の展示実績があり世界一です。なおフグの学名は「テトラオドン」です。「四つの歯を持つ」という意味からきています。

3、ふく料理
まず初級。加工前のふく(丸といいます)から捌くのは営業者は知事の免許が必要ですが、有毒部位を除去したもの(ミガキといいます)は通常の魚と同じく免許は不要です。初級ではその「ミガキ」の頭と尾ひれを切り取り、そのまま熱湯に入れます。10秒、湯を通したら氷水へ移し冷やします。

水分を取って3枚におろします。2枚の身をペーパタオルで巻いて冷蔵庫で寝かせます(締めると言います)。湯をしたのは身の外側にある薄い皮(身皮といいます)が素人ではなかなか上手に取れないのです。その作業を剥き身といいますが、これができる人が中級です。上級は刺身を引く(ふく刺身は包丁を手前に引いて作ります)。それを花びらのように盛り付けます。これができれば上級です。菊盛が代表です。ここまでくれば職人の領域です。上等のふく、ふく引き包丁、高級有田焼等が揃えば最高のふく刺し完成です。

4、フグ毒について
どうやってフグの毒は作られるのか。養殖フグには毒がないって本当?
フグ毒に関わる疑問は尽きません。フグ毒の研究が始まったのは明治になってからです。当初は毒がどこにあるのか、毒の強さ等が研究対象でした。最近は毒化の解明が進んでいます。ふく毒はどのように作られるのか、長い間、研究者の間で見解が分かれていました。生まれたときから毒を体内に持っている(内因説)、外から取り入れている(外因説)がありました。研究が進み、フグ毒は外部から食物連鎖(生物濃縮)によって毒をため込んでいることがわかりました。

フグ中毒は呼吸麻痺で全身が痺れます。ひどくなれば窒息死です。治療法としては胃の洗浄などです。対策はフグの肝・卵巣は食べないことです。

講義の終了後、担当教授からメールが届きました。「各校の様子を廻って指導しているのですが、高校の中には何度もくりかえし、ふくの捌き方をYOUTUBEで見たり、かなりふくについて調べている学校がでています。中尾様の話の効果もあって下関のふくの話はインパクトがあったようです。将来の下関のふく消費者となる萌芽がございます。」嬉しいことです。

筆者は今まで、下関商業高校、水産大学校、下関市立大学、東亜大学、梅光大学、関西学院大学、中央大学、韓国国際大学などで「ふくの話」をしました。今後も機会があれば将来の消費者である学生にふくの講義をしたいです。