てっさの語源・由来は?
皆さんは「てっさ」という言葉を聞いたことがありますか?
てっさとはふぐの刺身を指す言葉で、ふぐの消費量が日本一と言われる大阪を中心に使われている呼び方です。
この「てっさ」という呼び方、何が語源・由来なのでしょうか。
日本では古くは縄文時代からふぐが食されてきましたが、その長い歴史の中で禁食の時代もあったんです。
それは安土桃山時代、豊臣秀吉の時代に遡ります。秀吉は朝鮮へ出兵する際、肥前(現在の佐賀県北部、唐津市西部、東松浦半島西部あたり)に前線基地となる名護屋城を築くのですが、そこで兵士たちがふぐを食べ、毒にあたって死者が出てしまうのです。
それがきっかけとなり、秀吉はふぐを食べることを禁止してしまいました。
禁止令はその後時代が変わってもそのまま続き、日本ではじめて解禁されたのは明治22年ですから、実に250年以上もの間禁止されてきたんです。当時は解禁といっても一部の地域だけで、全国的に許可されたのは太平洋戦争が終わってからですから、まだまだ最近のことなんですね。
しかし禁止されていた期間も、実は庶民の間では密かにふぐは食べられていました。
美味しいものが食べたい!という人の気持ちは今も昔も同じですね。
しかし禁止されているふぐを食べることをおおっぴらには言えませんから、みんなふぐのことを隠語で呼び密かに流通させていたのです。当時ふぐは「鉄砲(てっぽう」という隠語で呼ばれていました。
「ふぐの毒に当たると死ぬことがある」=「鉄砲の弾に当たると死ぬ」という二つの意味を掛け「てっぽう」と呼んでいたのです。ふぐの刺身は「てっぽう」と「さしみ」が合わさって、それが「てっさ」になり、定着していったのです。
てっさ(ふぐ刺し)はふぐの花形
ふぐには鍋、刺身、唐揚げなどいろんな食べ方がありますが、やはり一番の定番であり花形なのはてっさじゃないでしょうか。ふぐのプリっとした食感がシンプルに楽しめるので、自分は個人的にもてっさが一番好きですね。