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ふく百話(72)

「ふくの初セリ」

9月26日の午前3時過ぎ、南風泊市場にて、シーズン到来を告げる初セリが行われました。先日は初出航のニュースが流れました。初入港に合わせた初セリです。今年もいよいよ「ふくの季節」到来と、期待に胸を膨らませる時です。

セリ値は天然トラフグで1キロ1万6千円と昨年を2千円下回りました。長引いた残暑とコロナの影響で需要が低迷する中では比較的高値ということでした。この日の取扱量は天然トラフグが200キロ、養殖物が1500キロでした。

天然物の漁場は萩市の沖(日本海)、大分県の沖(瀬戸内海)です。今期から初めて福島県産のトラフグ入荷がありました。地球温暖化の影響で生息域が北にも広がっているようです。セリ方法は伝統的な「袋セリ」が風物詩です。

下関唐戸魚市場(株)郷田社長によると「夏が暑かったので、冬は寒くなるとの予報があります。水温が下がれば、ふくも太って大きくなるので、どんどん食べていただきたい」と述べていました。

テレビでも郷田社長のインタビューを見ました。昨年より少し値段が下がったことを問われ、値段が下がったことにより仲卸人さんにはしっかり購入して頂けました。今後に期待ができると思いましたとプラス思考の発言をしていました。この発言を聞いて素晴らしいと思いました。値段が下がったことを嘆くのではなく、むしろ仲卸人が購入しやすくなったことで今後に期待できると発言したのです。さすが経営者の言葉だと思いました。郷田社長は私が現役の時に入社してきました。山口大学工学部を南風泊市場でアルバイトしながら卒業し、下関唐戸魚市場(株)に入社した努力家です。初代社長の浜坂から始まり、土谷、小野、山田、松村、原田、見原と続く8代目です。魚市場の仕事は生産者と仲卸人のバランスをとりながら、足元の経営をしっかり行い、業界の将来を作っていく重要な仕事です。郷田社長をはじめ若い後継者に期待しています。

セリが行われたのは仮設市場です。高度衛生化対応で下関漁港は建て替わりました。南風泊市場はまだ2年くらいかかりそうです。テレビで見ましたら、中腰作業で重労働であった「ふく選別」が選別台の上で行われており時代の変化を感じます。

「ふくの初セリ」は2回あります。1回目は今回のシーズン到来、2回目はシーズン最盛期、新年1月4日です。この日は全国に先駆けて1日早いセリです。

新しい年の正月に縁起の良い「下関ふく」の初セリ。全国ニュースに何度も登場し下関ふくを全国にアピールできる日です。

1月4日の初セリでは忘れられない思い出があります。当番制で入港船の荷役をし、生き物は活魚水槽へ、占め物は冷蔵庫に入れます。各船は生き物をトロ箱で50箱くらい活かしています。ある年、1月2日夜から3日の夜にかけて当番となりました。年末、年始を沖で操業した延縄船が30隻以上も入港し数百ある水槽が満杯となりました。私は覚悟を決めて通常の3倍のふくを活魚水槽に入れました。魚をすくう網が水槽で立つくらいの量でした。さすがに船長から入れるのはもう辞めてくれと言われました。24時間、ゴムの合羽を着て荷受けしました。私は疲労困憊、荷受け後、寝込んでしまいました。翌朝のセリで、沢山のふくが活魚水槽の中で酸欠で死んでいました。船長から叱られましたが、小野社長から荷受けが大変だったそうだな、と慰労の言葉があり救われました。

今年は9月29日に亀山八幡宮で「秋のふくまつり」が開催されました。3年ぶりです。コロナ下でイベントも制約が多いですが関係者約100人でお祝いしました。境内の世界一のふく像の前に萩沖で漁獲された3キロのトラフグを入れた水槽を置き、関係者でお祭りしました。

このふく祭りが開催されれば、ふくシーズン到来を全国に宣言することとなるのです。安全操業、豊漁、業界の発展を祈っています。