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ふく百話(25)

「ふく供養祭」

下関市では毎年4月29日に「ふく供養祭」が南風泊市場にて開催されます。

歴史は古く、第1回は昭和5年3月16日に関門ふく交友会により開催されました。戦時中の中断がありましたが今年で82回でした。昨年、今年と新型コロナの影響で魚市場と仲卸人だけの寂しい開催でした。日頃は市場での供養祭ののち、市長はじめ関係者が船に乗り込み沖合でふくを放魚するのが習わしです。

昔は「供養」が主体で幕は白黒、お供えは不祝儀でした。南風泊市場に移転した頃から「供養祭」となり幕は紅白、祝儀で祭りとなりました。小野社長が知り合いとなった東京からの転勤族を含め多くの招待客もありました。初めての招待客からは「袋」は不祝儀ですか祝儀ですかと時々問い合わせもありました。

先帝祭とともに春の関門海峡を彩る風物詩で俳句の季題ともなっています。

俳句の同好会主催の句会や、多くの花輪の会場をそのまま借用した他団体主催の歌謡大会等もありました。以前紹介した叔父の鮎川清(元下関税務署長)の句を紹介します。「水槽に小さきくちをとがらせて河豚の見ている供養祭。場内に法螺とよもして祭壇の河豚僅か動けり。「ふく殿」と慎みていふ来賓の式辞も可笑しふく供養祭。」

南風泊市場には消費地の東京、大阪はじめ全国のふく関係者、また各地から漁業生産者、養殖業者、輸入業者、活魚輸送業者、地元関係者が出席します。

100を超える花輪に囲まれた魚市場は日ごろと趣が異なります。私は総務部長として長くこの供養祭の司会を担当しました。毎年花粉症がひどく、3月から風邪をこじらせたようなくしゃみ、鼻水、鼻づまり症状が続き、供養祭はいつも薬を飲んで進行していました。不思議なもので供養祭が終わると花粉症も収まりました。準備のストレスもあったことと思います。祭壇には大皿に10キロ近いトラフグが供えられました。それが読経の時に苦しいので暴れるのです。祭壇から落ちたこともあります。それでは可哀そうだということになり、ある時期から大型の水槽を準備しました。悠々と泳ぐふくを見て私は安心して司会ができました。式の中頃では「慰霊のことば」というものが読み上げられます。

まず下関ふく連盟会長、続いて名誉会長の下関市長です。慰霊のことばの中では

「ふく」のことを「ふく殿」と敬語をつけて呼びます。尺八の演奏もあり都山流の名手が奏でました。代表は下関唐戸魚市場(株)の森常務でした。

供養祭の中では生産者表彰式もあります。多くの水揚げをあげた生産者とともに、大ふく賞というものがあり、シーズン中で一番大きなふくを漁獲した船長に贈られます。10キロ前後の大きさです。この賞は元ふく連盟会長松村さんの発案です。焼香はまず指名焼香、次いで地元の皆様の前に東京、大阪、全国各地のお客様と紹介するのが恒例でした。ふく商いの業績がよかった年には東京の業者は芸能人や相撲の親方衆をともなっての参列でした。印象に残っているのは中村錦之助夫妻、北の湖親方、横綱大乃国はじめ、多くの来場がありました。

下関の供養祭は春の彼岸、3月15日ごろ行っていましたが、ふくが全国に広まるにつれふくシーズンをできるだけ長くして欲しいという要望が消費地からありました。本場の下関が「ふくシーズン終了」と宣言するとふくが売れなくなるというものです。小野社長の時代になって下関のふく供養は全国で一番遅い4月29日開催となりました。小野社長が様々な改革に取り組んだ中にはふく供養祭関連で「ふく刺しの展示会」、「ふく写真展」、下関駅の豆水族館での「ふく展示」等も同時開催されました。花輪に囲まれた供養祭会場での大懇親会も開催しました。関門海峡汽船を貸し切り、懇親会会場まで移動したこともあります。

ふく供養祭は下関以外では萩市、周南市、東京市場、福岡県鐘崎、愛媛県新居浜市、福井県若狭町、京都(京都、静岡のふく連盟合同)などがあります。

この中で下関に次いで盛大なのは東京です。魚市場が移転する前は築地市場でした。放流は墨田川です。今後は新しい豊洲市場での開催となります。

また悲しい遭難事故があった年は、これも小野社長の発案で供養祭会場とは別に市場の一角を区切り慰霊の祭壇を設け参加者が弔問しました。