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ふく百話(38)

「ニューヨークの倉岡さん魂」

第27話で「ふく世界の檜舞台に立つ」を紹介しました。立役者はアメリカふく輸入組合長、ニューヨーク・レストラン日本オーナーの倉岡伸欣(よしのぶ)さんです。話の続きが日経新聞1月30日(日)に上記のタイトルで掲載されました。概要を紹介します。

記事はテニスコーチ他、様々な活動をされているウインブルドン世界大会ベスト8の記録をもつ松岡修造さんです。

「僕にとって第2の故郷はニューヨークです。そして倉岡さんは師匠であり第2の父であります。出会いは初めて全米オープンに出場した1988年。

倉岡さんは僕の弱い心をたくましくしてくれました。倉岡さんはニューヨークに生きる現代のサムライと評されていました。単身渡米、1963年に本格的な寿司バー、レストラン日本を開業。日本食文化を世界に伝え続けました。世界で戦う日本人が勝ち上がるには食が必要と選手のサポートをして下さり、最強の日本食で僕らはパワーを授かった。英ウインブルドンでは会場の真横に家を借り、大会中1日3食の和食を用意して下さった。倉岡さんは常々私に「君を見ていると情けなくなるよ。もっともっと自信をもちなさい。

相手の心にズバーと入っていく気迫がたりないんだよ!」と叱咤激励しながら松岡修造を最も信じてくれました。2018年1月、倉岡さんは他界された。

レストラン日本はコロナ禍でも倉岡さん魂を引き継いでいる。ニューヨークは遠い、けれど僕の心には倉岡さん魂が生き続けている」。

このエッセーに接して、私も同感の気持ちです。私の場合は「ふく」です。倉岡さんの「ふく」への取り組みは情熱が溢れ大いに刺激となりました。まさにサムライとして日本の食文化の華「ふく」をアメリカに広めるのだという壮大な夢を実現させたのです。その時の日本のサムライは下関ふく連盟会長・小野英雄。畑水産社長の畑栄さん。後見人は厚生大臣・林義郎先生です。

同じページに「ふく養殖記事」があります。何かのご縁でしょう紹介します。

「ゼネコンが仕掛ける新事業展開、トラフグ養殖」
大阪府に本社をおくゼネコン・奥村組が茨木県つくば市にある研究所でトラフグ養殖を開始した。陸上養殖における実証実験を行い技術的な課題をクリアー、陸上養殖システムを確立したのちトラフグの生産。販売を目指すと記事にあります。水浄化陸上養殖システムには様々な企業が取り組み実践中です。陸上で養殖すれば漁業権との関係がなく、人工海水を活用すれば海から遠く離れた陸地でも養殖可能です。今後、様々な高級魚種で同じシステムが活用されることと思います。まさに「22世紀ふく」の時代です。