ふく百話(46)
「1枚のハガキからふくの縁」
「しものせき海響ふく協同組合」(青木光海理事長)が千葉県八千代市の台東小学校の4年生3クラス全員とオンラインでつなぎ、ふくの交流会を行いました。場所は彦島老町のふく料理店「たまや本店」です。きっかけは1枚のハガキです。4年生の奥井優君が授業で山口県の下関ふくを知り「一度も口にしたことのないフグを仲間みんなで食べてみたい」とたまや本店にハガキを送ったのがきっかけです。
「しものせき海響ふく協同組合」会員のたまやさんが青木光海理事長に相談し組合事業として取り組みました。小学校との交流の動画を拝見しました。まずトラフグが南風泊市場を経て加工業者によりミガキ、刺身加工されること。
ミガキ処理の動画、刺身を引く場面もありました。学校からは画面越しに児童たちの歓声が聞こえました。フグに関する質問や、クイズでは全員が参加しトラフグの知識を学びました。その後は事前に宅配した120皿が全員に配られたのです。参加した台東小学校の先生は感謝の気持ちを手紙でお返ししたいと述べられました。
今回のニュースに接して今や全国各地でふく取り組みが行われている中、
本場下関の地位を確保するためには常に「ふく情報」の発信を行っていくことが大切です。小野英雄は生前、自らの戦争体験を語り何事も攻めている時が最も強い。守りに入ってはいけないと言っていました。30年前から現在の下関を取り巻く状況を予想していたかのようです。
オール下関(下関のさかな ふく)、オール山口県(県魚 ふく)で全国に向けて、ふくに関するあらゆるものの取り組みを強化する必要があります。
先日は海響館と養治小学校で「ふく」に関してシリーズで学習するプログラムがありました。海洋教育授業で1年にわたりフグを学びました。海響館の「子供学芸員」に認定されました。また全国で唯一「水産」を冠とする大学「水産大学校」もあります。下関市長は水産大学校の後援会長でもあります。
絶え間ない情報発信と忘れてならないのは地元の人々です。市民や県民にふくの応援者になっていただくことが大切です。下関では「ハレの日」にはふくを食べる。家庭での調理が広がればミガキふくの消費拡大につながります。
下関市、山口県、北九州市で100万人が一人年間、1匹のふくを消費すれば
100万匹。1千トンの大消費地になります。業界の皆さんに頑張っていただきたいです。下関市への経済的、歴史的、文化的影響は大きいのです。