てっさ(ふぐ刺し)ってなんでこんなに美味しいの?
てっさ(ふぐ刺し)は高級魚であるふぐを使った料理の花形です。
プリプリしたふぐの食感や口に入れた時の何とも言えない旨味をシンプルに楽しめるのはてっさ(ふぐ刺し)ならではじゃないでしょうか。
薄く切られたお刺身から下のお皿の模様が透けて見え、1枚ずつ綺麗に盛り付けられたふぐ刺しはまさに芸術品!ここではてっさ(ふぐ刺し)の美味しさの理由についてご紹介します。
まずどうしててっさ(ふぐ刺し)はあそこまで薄く切ってあるんでしょうか?
まぐろなど他のお魚の刺身のような分厚いふぐ刺しって見たことありませんよね。
これにはふぐの体質が関係しています。ふぐは高たんぱく、体カロリー、低脂肪、繊維も多いので、他の白身の魚に比べて筋肉質で硬い特徴があります。
とても弾力があるので、もしふぐのお刺身を他の魚の刺身と同じような厚みにしてしまうと、いつまでも噛みきれず非常に食べにくくなってしまうんです。
てっさ(ふぐ刺し)の薄さは、硬い身のふぐを丁度良い歯応えで味わえるように料理人が絶妙に計算したものなんですね。
てっさ(ふぐ刺し)はなぜ美味しいのか
ふぐには昆布に含まれている三大旨味成分の1つと言われるグルタミン酸が豊富に含まれています。
たいやひらめはなどの白身魚をよく昆布締めにして刺身にすることがありますが、これは昆布の旨味を魚に浸透させて旨味を増やすという狙いがありますが、ふぐには最初からこの旨味成分をたくさん持っているので、これはふぐが持つ大きな強みです。
もう1つ美味しさに影響するのが食感(歯応え)です。やはり食感がよくないと美味しいと感じないですからね。ここに大きく関わるのが熟成期間です。
通常、ふぐは1日半(天然は3日程度)ほど寝かせて熟成させたものを刺身にしますが、ふぐはたんぱく質を多く含むので他の魚に比べてどうしても熟成には時間を要します。
この熟成期間の見極めが美味しさを左右すると言われますが、個体によってその時間が微妙に違うため、ここは料理人の経験がものを言います。さらにふぐは解体後、硬直が解け始めると細胞内で変化が起こり、旨味成分のひとつと言われるイノシン酸が増加してきます。これらの旨味成分と職人による良い仕事が心地良い歯応えのてっさ(ふぐ刺し)を生み出しているのです。
てっさ(ふぐ刺し)がなぜ美味しいのか、その理由がよくわかりましたね。